2012年5月15日火曜日

Volcano ダミアン・ライス(Damien Rice)

先日歌詞の内容について語り合う海外サイトのチャートに突然この曲がランクインしました。新曲ではありません。2003年にリリースされて9年ほど経った曲です。またポップやヒップホップといったチャートを賑わしている曲でもありません。むしろやや昭和な感じのフォークソングですが,あるリアリティショウの出場者がこの曲を選んだからというのがランクインの理由のようです。
恋愛関係を歌った曲で,歌詞は2つのパートから構成されており,先日投稿したNickelbackのFar Awayと同様,「そんな風に腹立ちまぎれに膝を抱えてすわってると/そんな風に投げやりになって」「ただそれだけだ それ以上のことは求めてない/大事なのはそのことだけなの?」「思い通りにならないからって,八つ当たりされても困るんだ/思わせぶりな態度で,人の気持ちを弄ばないで,辛くなるだけなのに」と互いに呼応するスタイルです。
面白いのは,「確かにキスもしたしそれ以上のこともしたけど(I kissed your mouth and back)」の箇所は,女性が歌う際には「キスもしたしそれ以上のこともしたのに(I kissed your mouth, your back).」と歌詞がわずかに変わっていること。これによって,女性の方が主人公に思いを募らせているような感じがして興味深いです。
Last week, at a website where people talk about song lyrics, this song jumped into the chart.  It's not a new song and has been out for about 9 years since 2003.  It's not a pop song or hip-hop song dominating charts these days, either.  It's rather an old school folk-pop song.  How come?  They say one of the contestants in a reality show picked it up.
This song is about a romantic relationship.  Like "Far Away" I posted the other day, the lyrics consist of two parts and they correspond to each other in lines, such as "Don't hold yourself like that/Don't throw yourself like that", "But that's all I need/Is that all you need?" and "Volcanoes melt you down/Volcanoes melt me down."
The line "I kissed your mouth and back" slightly differs when it sung by the second person (a girl).  It goes like this.  I kissed your mouth, "your" back.  It seems to me that the second person are more into the protagonist.  That's quite interesting.
Volcano  (Damien Rice)
Don't hold yourself like that
'Cause You'll hurt your knees
Well I kissed your mouth and back
But that's all I need
Don't build your world around
Volcanoes melt you down

And what I am to you is not real
What I am to you you do not need
What I am to you is not what you mean to me
You give me miles and miles of mountains
And I'll ask for the sea

Don't throw yourself like that
In front of me
I kissed your mouth, your back now
Is that all you need?
Don't drag my love around
Volcanoes melt me down

What I am to you is not real
What I am to you you do not need
What I am to you is not what you mean to me
You give me miles and miles of mountains
And I'll ask

What I give to you is just what I'm going through
This is nothing new, no no just another phase of finding
What I really need is what makes me bleed

But like a new disease, Lord, she's still too young to treat

Volcanoes melt me down

I kissed your mouth
You do not need me

そんな風に腹立ちまぎれに膝を抱えて座ってると
膝に良くないよ
確かにキスもしたし,それ以上のこともしたけど
ただそれだけ それ以上のことは求めてない
一人で勝手に盛り上がった挙句
思い通りにならないからって
八つ当たりされても困るんだ

恋人だって勝手に妄想してるだけ
本当は大して本気じゃない
お互いの気持ちには温度差がある
求めるものも正反対で
頼んでもいないことを
やってあげたのにって顔されても
重いだけだ

そんな風に投げやりになって
こっちに責任を押し付けないで
キスもしたし,それ以上のこともしたのに
大事なのはそのことだけなの?
思わせぶりな態度で,人の気持ちを弄ばないで
辛くなるだけなのに

勝手にイメージを作り上げて,勝手にそう思い込んでるだけ
本当の姿は見てくれない
どうしても思ってることが通じない
お互いの気持ちには温度差がある
相手に求めるものもバラバラで
そんなつもりじゃなかったって言われても困る
だって

されてることをしてるだけ
今まで何度も覚えがある 別に初めてってわけじゃない
どうすればいいのかはわかってる
だけどそうするのが辛いんだ そんなの本当の自分じゃない

なのにそのことがどうやっても通じない
見つかったばかりでまだ原因のわからない病気みたいに
どう対処すればいいのかわからない
何を言ってもわかってくれないんだ

どう説明してもわかってくれない
(このままだと自分が抑えられなくなりそう)

ああキスしたよ
だけどそれだけで,本当は大して好きでもないんだろ?


(補足:これは余談じゃありませんからね)
最後の連に出てくるtreatという箇所。私見ですが,これは歌詞でも言っているように,病気の治療(medical treatment)と,人への待遇(treatment)の掛詞ではないかと思っています。
この曲を歌っているDamien RiceはEd SheeranのYou Need Me, I Don't Need Youに名前が出てきた人物です。
http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/02/you-need-me-i-dont-need-you-ed-sheeran.html
なるほどEd Sheeranを感じさせる箇所がいくつかあります。正確にはEd SheeranにDamien Riceを感じさせる箇所があるというべきですが。
それにしても,実に昭和な感じの曲です。ただこういう関係は実際には結構多いんじゃないでしょうか。

8 件のコメント:

  1. 日本語ですくないDamien RIceの情報…偶然たどり着きました。
    わたし、まさに”amedol”でDamian Riceを知って、
    今どハマりしております!
    そしてVolcanoの歌詞よんでめちゃくちゃ切なくなった…です。

    そして対訳!
    Volcano melt downがこんなふうに訳せるのか…と。
    深い…。

    But like a new disease, Lord, she's still too young to treat
    この部分で、She's still too youngとあるので、
    相手が若すぎたのかなぁ…とか思ってました。
    このへんの解釈って、どうなんでしょう?

    ちなみに…RSSとTwitterフォローさせて頂きました!

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。まさに仰る通りです。実はその部分は海外サイトでも話題になっておりまして,実際に若いとする説がある一方で,new diseaseとかけているだけで年齢が若いわけではないという説にわかれております。勿論若いとしてもストーリー上齟齬が生じることもございませんし,むしろその方がいわゆる「体育座り」といい,可能性は高そうなのですが,ただ一点,そういたしますと主人公が,東京都青少年の健全な育成に関する条例違反で刑事罰に問わそうなので,諸事情を鑑みて,敢えてその部分をぼかしてあります。甚だ簡単な説明ではございますが,ご納得いただければと存じます。さて別館(twitter)にもおいでくださっているとか。また何かお気づきの点がございましたら,こちらの本館でもあちらの別館でも結構ですので,是非ご意見をお聞かせください。

      削除
  2. ワハハハw
    丁寧な解説有り難うございますww
    The PoliceのDon't stand so close to me…みたいw
    でもそれよりもっと露骨ですねw
    もし…その説だったら。
    また遊びに来ます!!てか、勉強させて頂きます!!Twitterもよろしくお願い致します。
    ※わたし海外ドラマとかアメリカン・アイドル見てる時の連投ヒドイです…ご了承くださいw

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。私もまさにその曲を思い出しました。あの曲,教師だったStingの実体験だと思うのですが,この曲もそうなのでしょうか。さて,別館では既に申し上げたのですが,この曲の「キスもしたし,それ以上のこともした」という部分。原文はl I kissed your mouth and backとなっております。そこをこう訳したのは,むきだしの状態が普通の唇と異なり,背中/腰は通常衣服で覆われているため,そこにキスするためには・・ということでこの訳文になっております。さて,連投の件ですが,私は個人的に「熱い(暑いではありません)方」,あるいは「オタクな方(こちらは暑い方かもしれません)」が大好きなのでいつでもご連投ください。お待ちしております。

      削除
  3. はじめまして。突然ですが、damien riceの情報を見ていてたどり着きました。あまり日本では彼通がいないと思うので、僭越ながら少し情報を。
    一つ彼ら(damien riceとlisa hannigan)を理解する上で重要なことがあります。(噂ではなく、本人がインタビューで言ったことです)。
    ボーカルdamien riceとコーラスのlisa hanniganは、恋仲でもありましたが、突然lisa hanniganがいなくなりました。最近のインタビューでdamienは「まだ彼女を愛している」と明かしています。volcano作成時点(この歌はdamienのバンドjuniper時代のもの)はlisaと出会っていないと思われるので、彼女のための曲ではないと思いますが、他の曲も二人の関係を考えながら聞くと、とても切なくなります。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。流石に通を自認される方だけあってお詳しい。寡聞にして彼のことは,Ed SheeranのYou Need Me, I Don't Need Youを聴くまで知らなかったのですが,この曲を聴きEdが憧れるのも無理からぬことと納得いたしました。
      ところで,このコメントの直前にも,別のファンの方がコメントを寄せてくださっていますが,私の記憶が正しければ,この方は別館(twitter)にもお越しくださったはず。ファンの方同士でお話もはずむかと存じますので,お時間があれば,是非そちらへもお越しください。お待ちしております。

      削除
  4. 私が選ぶつらい曲ベスト3の1つにに入りそうです。(他の2つはmocking birdとastronaut)前の2つは登場人物がつらそうでしたが、この曲では聞いている自分がつらい。それは、私が少女時代にひどい体験をしたというようなことではなく、「勝手にイメージを作り上げて,勝手にそう思い込んでるだけ 本当の姿は見てくれない どうしても思ってることが通じない」という内容が、一般化されて過去の失敗にあてはまってしまうところがつらい。いろいろな事柄に「記号」を勝手に見いだしてそれをよみ、また、おおいによみまちがう人間(私だけ?)としては、誤解して傷ついたり、勝手に別の方向に進んでしまったりの苦い経験は数知れず。この曲を聞いていると、そういうこれまでのつらい思い出が走馬灯のようによみがえってきます。ああ、つらい。それから、ビデオで一緒に歌っている女の子、この曲にイメージが合いすぎて絶対によくない。あの可愛い女の子が悲しそうに歌っているのを見ると、最悪!という気がしてしまって。Damien Rice、自虐的すぎです。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。あくまでも私見ですが,人間はそれぞれ自分を中心とする小宇宙のなかで暮らしています。関心のあるものは近く大きく鮮明に,そうでないものは遠くぼんやりと見える世界です。
      したがって,仮に同じものを見ていても,それぞれの目に映る姿は違うのが当然であり,その意味で人間の数だけ「真実」が存在します。
      ゆえにこの前提に立つならば,相互理解においては,誤解するのは当然であり,それがないか,あるいはあってもわずかであるならば,非常に幸運であると考えねばなりません。
      ところが,主人公は「勝手にイメージを作り上げて,勝手にそう思い込んでるだけ 本当の姿は見てくれない どうしても思ってることが通じない」と語っています。
      人間の認識というものが前述のようなものだと仮定した場合,「完全なる相互理解」を前提にしている点で,このセリフ自体がすでに誤りなので,oak様がお悩みになる必要など全くないと言えるのではないでしょうか。

      削除