2014年2月18日火曜日

Danny Boy ケルティック・ウーマン (Celtic Woman)

ご存じですよね?この曲。当然ですが,この曲の歌詞の内容はご存じですか?一体何を歌った曲なんでしょうか?
作曲したのはアイルランドへ一度も行ったことがないと考えられているイギリス人ですが,この曲はアイルランド系住民,特に北米のアイルランド系住民にとって,非公式の国家的存在の曲となっています。歌詞の内容については,決定的な解釈というものは存在しませんが,一般的に次のように考えられています。すなわち:
a) 息子を戦争に送り出した親が(その息子に)歌っている
b) 親(父親か母親)が息子に別れを告げている
c) 女性が恋人に別れを告げている
あるいは,
d) 母国に母親を残して移民した若い男性に対して歌っている
You know the song, don't you?  Sure you do but do you know what the song's talking about?  What's really about?
As written by an English writer who's believed to have never been there, the song has become an unofficial signature song and anthem for people of Irish decent, especially in the US and Canada.  Although there's no decisive interpretation for the lyrics but it's commonly believed to be sung by:
a) a parent who are sending their son off to war
b) parent (mother or father) saying goodbye to a son
c) a girl saying goodbye to her love
or sung to:
d) young men immigrating and leaving their mother behind in their homeland
Danny Boy  (Celtic Woman)
Oh, Danny Boy, the pipes, the pipes are calling
From glen to glen, and down the mountain side,
The summer's gone, and all the roses falling,
It's you, it's you must go and I must bide.

But come ye back when summer's in the meadow,
Or when the valley's hushed and white with snow,
It's I'll be here in sunshine or in shadow,
Oh, Danny Boy, oh Danny Boy, I love you so!

But when ye come, and all the flowers are dying,
If I am dead, as dead I well may be,
Ye'll come and find the place where I am lying,
And kneel and say an Ave there for me;

And I shall hear, though soft you tread above me,
And all my grave will warmer, sweeter be,
For you will bend and tell me that you love me,
And I shall sleep in peace until you come to me!

ああダニイ,バグパイプが響いてる
深い谷間から谷間へ
山肌の道を伝って下りながら
夏が終わって,バラもみんな枯れていく
どうしても行かなきゃいけないんだね
だからここで待つしかないね

だけどどうか帰って来て
草地に夏が来る頃に
あの谷が白い雪で覆われて
音のない世界になる頃に
いつでもそこで待ってるから
ああダニイ,愛してるよ

帰って来た時
花もみんな枯れていて
私がこの世にいなかったら
そうなってることだってあるんだから
私の眠っている場所を
探してそこへやって来て
それからそこに跪き
お別れをいってちょうだいね

たとえどんなに微かでも
それがあなたの足音なら
きっと上から聞こえるよ
そうすれば今こうして眠ってる
冷たいこの場所だって
素敵に温かいところになるの
だってあなたが背を曲げて
顔をこっちに近づけて
愛してるって言ってくれる
だからあなたがやって来るまで
ゆっくりここで眠れるよ

(補足)

この曲英国では葬儀の時に流れる曲だそうですが,内容を考えると納得です。

(余談)

リード文で述べた解釈のうち,a)からc)までは歌詞を読めば容易に想像がつくのですが,d)の移民説は新鮮でした。とはいうものの,アイルランドが国家的プロジェクトとして移民を始めたのは1940年代だということなので,それを1913年に作られたこの歌詞の解釈として採用するのはなかなか難しい気がします。

ところでこの曲を歌っている4人組のコーラス・グループCeltic Woman,どうして4人なのにWomenではなくWomanなのか。その辺りが本当にどうでもいいことなのですが大変気になっています。

6 件のコメント:

  1. いつも拝見しています。
    合唱部だった私にとってこのメロディーは「ロンドンデリーの歌」の古風な日本語歌詞の方がしっくりきています。やはり日本人だからでしょうか? とはいえDANNY BOYも大好きで、このメロディーにはいつもなんとも言いがたい気持ちにさせられます。
    ちなみに「WOMAN」の件ですが、彼女達のアルバム表紙によく登場する女性が各メンバーの顔のパーツをくっ付けて作ったイメージパーソンだそうです。おそらくこの方を指しているのでは?と思います。間違っていたらごめんなさい。
    これからも投稿を楽しみにしています。

    返信削除
    返信
    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。皆様のご説明を伺い,今回の疑問が氷解いたしました。ありがとうございました。

      削除
  2. 初めまして。
    以前からお邪魔させていただいているのですが、コメントするのは初めてです。

    Celtic Womanが出てきたので思わずコメントしたくなてしまいました。

    私的なことなのですが、実は以前かなりこのグループに入れこんでいて、プロデューサーのインタビューなどもよく読んでいました。
    なのでどうしてWomenではなくWomanなのかも、あくまで推測ですが見当がつきます。

    このグループはかなり愛国的な意図をもって結成されたグループです。
    新人を一から発掘したわけではなく、以前からケルト音楽を専攻し活動もしているケルト出身の女性ミュージシャンを、ディレクターとプロデューサーがわざわざ探し集めて作ったグループです。
    なのでケルトの女性達というよりも、これが”ケルトの女性だ”という一つの象徴のような概念でとらえた方が理解しやすいのかもしれません。
    そう考えれば複数形ではなく単数形なのも理解できるのではないでしょうか。

    どう表現していいのか良くわからなかったので、わかりにくかったらすみません。
    疑問が解消されたらうれしいです。

    返信削除
    返信
    1. コメント並びに丁寧な解説をありがとうございます。ご説明を伺い,Womanの件は腑に落ちました。いわば「ケルト女性のプロトタイプ」としての意味だったわけですね。ありがとうございました。

      削除
  3. vestigeさん お久しぶりです。
    このdanny boyという曲、村上春樹氏の小説「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を最近読んでいて、出てきて気になり、youtubeでオーケストラ? verのものと エリッククラプトンのギターのカバーを聞いていました。 今回upされているのもいいですね。
    どんな曲なのか知れてよかったです。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。chunji様お久しぶりです。この曲日本人なら一度や二度は耳にしたことがあるはずですが,歌詞の内容までご存じの方は意外に少ないように思われます。お役に立ててなによりです。
      ところでこの時期,個人的にchunji様の「ご武運」が気にかかっております。「大将首をあげた」などのお話がございましたら,是非またお声をお聞かせください。

      削除