2013年10月23日水曜日

No Surrender ブルース・スプリングスティーン (Bruce Springsteen)

Glee Season 5 のあるエピソードを通じてこの曲を知ったので,耳にしたのはそこで歌われたカヴァーの方が先ですが,そちらがフォークやカントリーのバラードを思わせる曲調だったので,かなりロック調で高揚感のあるこの原曲を知った時は少し意外な気がしました。
聞くところによると,Springsteenはロックの持つ高揚感をテーマにこの曲を書き,それがバンドのメンバとの友情を歌った曲になったそうですが,この辺りがGleeのあの回で使われた理由だと思われます。
サビの一部はJean-Claude Van Dammeのデヴュー作品No Retreat, No Surrender(邦題シンデレラ・ボーイ)のタイトルとなっていますが,元々のタイトルはBrothers Under The Bridgesというものだそうです。
An episode of Glee Season 5 brought me to this song.  I heard a cover sung in the episode first.  It sounded much more folk-country ballad.  I was a bit surprised to find the original sounded much more rock and uplifting.
They say that Springsteen wrote this about the inspirational power of Rock music. It came to represent his friendship with members of his band.  I'm sure that's the reason it's featured in the episode.
Part of the chorus provided the title for Jean-Claude Van Damme's first movie, No Retreat, No Surrender.  The original title was "Brothers Under The Bridges."
No Surrender  (Bruce Springsteen)
We busted out of class had to get away from those fools
We learned more from a three minute record than we ever learned in school
Tonight I hear the neighborhood drummer sound
I can feel my heart begin to pound
You say you're tired and you just want to close your eyes and follow your dreams down

We made a promise we swore we'd always remember
No retreat no surrender
Like soldiers in the winter's night with a vow to defend
No retreat no surrender

Now young faces grow sad and old and hearts of fire grow cold
We swore blood brothers against the wind
I'm ready to grow young again
And hear your sister's voice calling us home across the open yards
Well maybe we could cut someplace of our own
With these drums and these guitars

Blood brothers in the stormy night with a vow to defend
No retreat no surrender

Now on the street tonight the lights grow dim
The walls of my room are closing in
There's a war outside still raging
you say it ain't ours anymore to win
I want to sleep beneath peaceful skies in my lover's bed
with a wide open country in my eyes
and these romantic dreams in my head

授業をさぼったな
ああいう馬鹿なヤツらに
付き合ってられなかったから
音楽を1曲聴くだけで
あれこれ学校で習うことより
色んなことが身に着いた
今夜は近くからドラムの音が響いてくる
聞いてると胸の鼓動が速くなる
なのにお前はこう言うんだ
もういい加減イヤになったから
気付かないフリをして
本気で夢を追いかけたいって

だけど約束したはずだ
決して忘れないって誓ったろ?
後戻りや降参なんかはしないって
凍てつく真冬の夜のように
陽の当たらない時だって
なにがなんでも守リ抜くって
兵士のように誓ったんだ
後戻りや降参なんかするもんかって

若さに溢れてた表情にも
今はもう年齢が刻まれて
悲しみの影が差している
炎のように
あんなに熱く燃えてたのに
その気持も今は冷めかかってる
だけど大切な仲間に向かって
一緒に約束したろ?
世間に立ち向かっていこうって
だからもう一度若かった
あの頃の自分に戻ってみる
お前のきょうだいの声が聞えてくる
広い庭の向こうから
戻ってこいって呼んでいる
自分だけの場所が手に入るかも
ドラムやギターさえあれば

荒れる嵐の夜のように
世の中が混乱してる時だって
なにがなんでも守リ抜くって
お互い誓った仲間じゃないか
後戻りも降参もするもんか

街中で灯りが消えかかり
この部屋の壁も迫って来て
家の外では戦いが今も激しく続いてる
もう自分たちとは関係ないから
別に勝てなくてもいい
お前はそう言うけど
平和で静かな空の下
大切な人と一緒に眠りたいんだよ
目の前に広々とした景色が続くなか
現実離れしたそういう夢を
頭に思い描きながら

(余談)

おそらくリード文をお読みになった方ほぼ全員がツッコまれたと思うのですが,Jean-Claude Van DammeのNo Retreat, No Surrenderの邦題が「シンデレラ・ボーイ」って・・・。

個人的にいわゆる邦題というものに対して複雑な思いを抱いておりまして,この邦題,GotyeのSomebody That I Used To Knowの邦題が「失恋サムバディ」なのはまだいいとしても,凄腕の刺客のWe're Never Ever Getting Back Togetherが「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」と聞いては「直訳にもほどがあるだろ!」と思わずツッコミを入れたくなります。さらにThe FunのWe Are Youngに至っては「伝説のヤングマン」という意味不明さです。

英語などの外国語が今ほど溢れていなかった数十年前ならいざ知らず,現在の日本においてはおそらく小学生でもWe Are Youngくらいはわかるのではないでしょうか?にもかかわらず「伝説のヤングマン」。このタイトルをつけた方は年齢層がかなり上の方であると思われます。

それはともかく,年齢と言えば,日本で「アニキ」というと一体誰を指すのでしょうか。というのも,以前どこかでこのBruce Springsteenが「アニキ」と呼ばれているのを見た(聞いた?)ような気がするからです。

この「アニキ」個人的には「哀川翔」なのですが,一般的にはアニソン界の「水木一郎」を指すようです。まあアニキと言うには若干お年が勝ちすぎているような気がしないでもないのですが,Bruce Springsteenがほぼ同い年であることを考えればさほど無理とも言えないような気がします。


6 件のコメント:

  1. vestigeさん、こんにちは。先日は私の投稿ミスでお手数をかけてすみません。

    「伝説のヤングマン/We Are Young」は、Nate RuessがFreddie Mercuryの再来と称されたことから、QUEEN「伝説のチャンピオン/We Are The Champions」由来と睨んでおります。真偽は知りませんが、状況証拠と原題の類似点はあるので、拝借(リスペクトの上で再利用)したのかなあと。もしもそうだとしたら、伝説の「王者」から「若人」に小ぢんまり格下げされた感は否めませんが…。

    近年邦題という一種の伝統芸も、需要減少に加えて後継者不足なのか斜陽産業な気がします。The Fray「How to save a life 」を「こころの処方箋」とか言われると、個人的にはお寒い気がするのですが、Billy Joel 「Tell Her About It /あの娘にアタック」などはカッコ悪いけど意外に良いかもと思うあたり、自分でも線引きが曖昧です。小説の邦題は全般的にスマートな気がするのですが、音楽はけっこうフリーダム(←よく言えば)ですよね。

    ところで、私が耳にしたことがあるBruce Springsteenの呼び名は「ボス」なのですが、還暦を超えた今なお「アメリカンロック」そのものであり続ける彼には、アニキより大物感があるボスの方が似つかわしい気もします。

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    1. コメントありがとうございます。そういうことでしたか。Nate Ruessの件,伺ってみればなるほどと合点がいくものの,それだけに,己の浅学さを恥じ入るばかりです。また,Bruce Springsteenについても,確かに彼がボスと呼ばれていたのもどこかで聞いたような気がいたしますし,仰る通り,その方が年齢・貫禄などの点から言って,アニキよりも余程似つかわしいでしょう。
      ところで,邦題に限らず,人間というものはそれを失うと思った途端に愛着が湧くものであるようです。今はマイナス面ばかりが強調されがちの邦題も,数年後,あるいは数十年後にそれが絶滅の危機に瀕すると,途端に珍重されるようになるやもしれません。
      そして,仮にそうであるならば,まだ邦題が比較的容易に手に入る今のうちに,世にまだ知られていない埋もれた邦題を文字通り掘り起こして保存することが急務であるように思われます。

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  2. こんにちは。お久しぶりです。確かに邦題には、かっこ悪いものや意味不明なものも多いですよね。特に洋楽の邦題は、つけないほうがいいのではと思ってしまうこともあります。Wham!の"Wake Me Up Before You Go-Go"の邦題「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」や、Cyndi Lauperの"Girls Just Want To Have Fun"の邦題「ハイスクールはダンステリア」などは、つけた人に会って、なぜそんな邦題にしたのか聞きたいくらいです。(後者にいたっては本人の意向で邦題が変わりました。)ただ、時々いいと思える邦題もあるので(個人的にはPink Floydの作品の邦題が好きです)、vestige様と同じく複雑な思いを抱いています。
     映画の邦題に関しても、いい邦題は本当にいいのですが、作品によってはもう少しどうにかならないのかな、と感じます。特に、関係のない作品に、「悪魔の~」や「沈黙の~」とつけて勝手にシリーズ化してしまうのには少し納得がいきません。
     しかし、原題をそのままカタカナに直した邦題も、わかりにくいときがあるので、やはり邦題が悪いとは言い切れませんね。最近は邦題が減少傾向にあるようですが、vestigeさんのおっしゃるように将来珍重されるかもしれないので、片っ端から掘り起こし、貴重な遺産として未来に受け継がなければならないのかもしれません。
     ちなみに、Bruceさんの愛称は「(ザ・)ボス」というのだそうです。個人的には、「アニキ」と聞くと、水木一郎さんのほかにOasisのNoel Gallagherさんも思い浮かびます。

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    1. コメントありがとうございます。アニキの件,考えたこともなかったのですが,確かにNoel Gallagherは文字通り「アニキ」です!ただあまり弟から慕われているようには・・・。

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  3.  ああ、なつかしすぎてコメントせずにいられません。「あの娘にアタック」「ハイスクールはダンステリア」「ウキウキウェイクミーアップ」だなんて・・・。もう涙、涙です。
     そういわれてみれば、80年代当時は邦題が断然幅を利かせてました。友達と洋楽の話をする時も、フツーに邦題を使っていました。インターネットもなくて、レコード会社を通じてしか、楽曲は手に届かなかったからそういう状況になってた、ということなんでしょうか。
    こうしてみると、長い・難しい・意味不明(代名詞が多過ぎの "Tell Her About It"とか)な、覚えられそうにないタイトルには邦題がついていて、短くて簡単なものは原題をカタカナにしているパターンが多いみたいですね。
     でも、邦題をつけるのって大変そう。
     「素直になれなくて」(Hard to Say I'm Sorry)に
      「素顔のままで」(Just the Way You Are)、
      「見つめていたい」(Every Breath You Take)に、
     「見つめてほしい」(Against All Odds by Phill Collins)、さらに、
     「そよ風の誘惑」(Have You Never Been Mellow by Olivia Newton-John)
     「そよ風の贈り物」(You Give Good Love by Whitney Houston)
    とくると、ネタが尽きてる感が感じられて、それはそれで、逆にわかりづらいような。難しいものですね・・・。

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    1. コメントありがとうございます。最初の3つは個人的に悪くないと思うのですが「見つめてほしい」から次第に訳が分からなくなったような・・・。しかし邦題というものは今でも完全には廃れていないようで,凄腕の刺客の例もあるように,意外なところに潜んでおります。まさに「邦題もと暗し」。

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