2021年4月26日月曜日

The Wild Rover フォークソング/ランクム (folk song / Lankum)

友人のひとりは根っからのメタルファンで,DragonForceSlipknotなどのメタルバンドのコンサートにかなりの金額を使っていたようです。友人にとっていわば生活の中心だったにもかかわらず,2020年以降それがすっかり変わってしまいました。
One of my friends is a die-hard metal head, spending much of their money on heavy metal bands such as DragonForce and Slipknot.  It's been an integral part of their life but everything has changed since 2020.
The Wild Rover  (Lankum)


[Verse 1]
I've been a wild rover for many's a year
And I've spent half me money drinking strong ale and beer
But now for the future I must take better care
In case that misfortune might come to my share

[Chorus]
Wild rovin' I'll give it over
Wild rovin' give o'er
And I never will be called the
Wild rover no more

[Verse 2]
I went into an alehouse I used to resort
And I told the landlady that my money was short

When she heard of my story, oh her answer twas "nay"
Sayin' "Custom such as yours I could have any day"

[Chorus]
Wild rovin' I'll give it over
Wild rovin' give o'er
And I never will be called the
Wild rover no more

[Verse 3]
I put my hand in my pocket, some money to find
And I pulled out the full of my two fists five times
When she saw I had the money
And money galore
When she saw I had the money
Well she called me her stór
Saying "I have the whiskey and wines of the best
All the words I have spoken, they were only in jest"

[Chorus]
Wild rovin' I'll give it over
Wild rovin' give o'er
And I never will be called the
Wild rover no more

[Verse 4]
If I had half the money I left in your care
It would buy me ten acres and my family rear
It would thatch me a cottage, it would build me a barn
It would buy me a coat fur to keep my back warm

[Chorus]
Wild rovin' I'll give it over
Wild rovin' give o'er
And I never will be called the
Wild rover no more

[Verse 1]
長いことあっちこっちを彷徨って
手持ちの金の半分は,強いエールやビールなんかの酒に使って消えたけど
これからは無駄遣いは控えなきゃ
自分のとこが災難に見舞われちゃったら困るから

[Chorus]
あっちこっちを彷徨い歩く,そんな暮らしは止めるんだ
ふらふらなんてもうしない *
もう二度と言わせない
根無し草とかそんなこと

[Verse 2]
昔よく出入りしていた馴染みの酒屋に顔出して
ちょっと手持ちがないんだよって,店のおかみに言ってみたけど
話を聞いたおかみから「お断り」って言われたよ
「よくいるの **,アンタみたいなお客がね」って

[Chorus]
あっちこっちを彷徨い歩く,そんな暮らしは止めるんだ
ふらふらなんてもうしない
もう二度と言わせない
根無し草とかそんなこと

[Verse 3]
ポケットに手を入れて,金がないか探したら
両手で5回掴めるくらい,たっぷりの金が出て来た
それでおかみは気づいたね,こいつには金がある ***
しかも山ほど金を持ってる
こいつには金がある,そうおかみも気がついたから
「旦那」なんて呼び出して
こんなことまで言い出した「ウィスキでもワインでも飛び切りのヤツがあります
今までアタシが言ったこと,あんなのは冗談ですよ?」

[Chorus]
あっちこっちを彷徨い歩く,そんな暮らしは止めるんだ
ふらふらなんてもうしない
もう二度と言わせない
根無し草とかそんなこと

[Verse 4]
お前に使う金があるなら *****その金の半分で
10エーカーの土地も買えるし,家族をだって養える
小屋の屋根も葺き替えられて,家畜小屋も建てられる
毛皮のコートも手に入るから,後ろだって寒くない

[Chorus]
あっちこっちを彷徨い歩く,そんな暮らしは止めるんだ
ふらふらなんてもうしない
もう二度と言わせない
根無し草とかそんなこと

(補足)
* give over ・・・ やめる,諦める
** any day ・・・ いつでも,どんな時でも
*** galore ・・・ 山ほど,大量に,豊富に
**** stór ・・・ 英語の「my love」に近いアイルランドの言葉
**** in jest  ・・・ 冗談で
***** in one's care ・・・ (人に)預ける

(余談)

おそらくこの曲の和訳をご覧になり「あのリードと一体何の関係が?」と疑問に思われた方も少なくないかと思います。

実は昨年の今頃,件の友人が「COVID 19のせいで来日公演が次々とキャンセルになりチケットが払い戻されたことで,いかに自分が今までライヴに時間と金を費やしてきたのかに気が付いた。これだけの金額がまとまってあったら,家のリフォームなどもすぐにできたはずだった」と自分の金銭感覚を少なからず反省したのだと語ったことがあります。

また,海外の掲示板でも「ロックダウンでレストランやバーに行けなくなったせいで,その月のカードの請求が信じられないくらい安かった。そこで初めて自分がいかに外食に金を使っていたのかを認識した」という声が聞かれました。

この主人公も(何がきっかけなのかはわかりませんが)「自分にとって当たり前だと思っていたことは実は当たり前ではない」ということに気づいたわけで,その点で私の友人と共通しています。

・・・ただし,件の友人はその後別の(しかも結構費用のかかる)趣味に目覚めてしまい,メタルファンを継続したまま,新しい趣味に没頭しているので,この主人公も同じ道を辿ってしまう可能性があります。

それにしてもこの主人公,一体どれだけ飲みに使ったんでしょうか?

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