2013年8月15日木曜日

Bonfire Heart ジェイムズ・ブラント (James Blunt)

James Bluntはユーモアの達人です。彼をTwitterでフォローしているのはそれが理由なのですが,例えばこんなツイート「お前なんかただのクソだ(You're just a shit James Blunt)」というツイートに対して「罵り言葉(この場合はshit)の後にカンマを入れると面白いよね(You're just a shit, James Blunt)」という返事を,「弟(あるいは兄)がJames Bluntを聴いてた・・・(Caught my brother listening to James Blunt)」というツイートに「確かに。弟が一人エッチしてんのを見ちゃったより悪い」そして「だってJames Bluntのタマを取ってやりたいのにアイツらが邪魔しやがんだよ(cos they wouldn't let us castrate James Blunt)」というツイートに「実はもうやられてるってことがじきにわかると思うよ。じゃなきゃなんであんな高い声が出ると思ってんの」と返事。彼が「達人」でないなら達人なんていないんじゃないでしょうか。
He's a master of good humor.  I follow him on Twitter for that reason.  Please just take a look at some of his tweets, like "A comma after the swearword would make that much more interesting. @AlexAdshead1: You're just a shit James Blunt," "Agreed. Worse than catching him playing with himself. RT @SmokeySunflower: Caught my brother listening to James Blunt. Wow" or "I think you'll find they did. How do you think I get the high notes? RT @265lisa: #Passenger - cos they wouldn't let us castrate James Blunt."  If he's not a master, then who is?  
Bonfire Heart  (James Blunt)
[Verse 1:]
Your mouth is a revolver firing bullets in the sky
Your love is like a soldier, loyal till you die
And I've been looking at the stars for a long, long time
I've been putting out fires all my life
Everybody wants a flame, but they don’t want to get burnt
And today is our turn

[Chorus:]
Days like these lead to
Nights like this leads to
Love like ours
You light the spark in my bonfire heart
People like us, we don’t need that much
Just someone that starts, starts the spark in our bonfire hearts

[Verse 2:]
This world is getting colder. Strangers passing by
No one offers you a shoulder. No one looks you in the eye
But I've been looking at you for a long, long time
Just trying to break through, trying to make you mine
Everybody wants a flame, they don’t want to get burnt
Well today is our turn

[Chorus]

[Verse 1:]
その口からは
まるでリボルバーみたいに
言葉が次々飛び出してくる *
国に忠誠を誓う兵士と同じで
よそ見したりせず
同じ気持ちを死ぬまでずっと持ち続ける
なのに僕は今までずっと
夜空に輝く星々を
眺めるだけで終わってた
これまでの人生では
恋をして想いが芽生えても
それを持ち続けられなくて
結局みんなダメになった
誰かを好きになりたいって
みんながそう思ってるけど
そのことでひどく傷つくのはイヤなんだ
だけど今日から一緒にやってみよう

[Chorus:]
ああいう風に生きてきて
こういう夜も過ごしてきた
ただそうだからこそ
今の自分があるんだよ
誰かを好きになりたいって
心の底から思ってたのに
そのキッカケが掴めなかった
だけどその人が現れて
やっと本当に好きになれた
こういう人間が望んでるのは
そんなに大したことじゃない
熱い気持ちにしてくれる
そんな人がいてほしいだけ

[Verse 2:]
世の中はだんだん冷たくなって
周りは知らない人ばかり
だから辛いことが起こっても
誰もなぐさめてくれないし
親身になって話も聞いてくれない
だけど僕は今までずっと
そっちを見ていたんだよ
問題が起こっても
どうにか乗り越えようとして来たし
「特別な人」になろうと頑張ってきた
誰かを好きになりたいって
みんながそう思ってるけど
そのことでひどく傷つくのはイヤなんだ
だけど今日から一緒にやってみよう

ああいう風に生きてきて
こういう夜も過ごしてきた
ただそうだからこそ
今の2人があるんだよ
誰かを好きになりたいって
心の底から思ってたのに
そのキッカケが掴めなかった
だけどその人が現れて
やっと本当に好きになれた
こういう人間が望んでるのは
そんなに大したことじゃない
熱い気持ちにしてくれる
そんな人がいてほしいだけ

(補足)

* 第1連の冒頭に登場するYour mouth is a revolver firing bullet in the skyですが,具体的に何を意味しているのかわかりません。否定的なイメージのフレーズなので,最初は口げんかをしているのかと思ったのですが,だとすると次のYour love is like a soldier, loyal till you dieとつながりにくいため,単に「言葉が次々飛び出してくる 」としてあります。

聴いているとすんなりわかったような気になるのですが,メタファーを多用しているため,改めて和訳しようとすると意外なほど手強い歌詞です。

この曲の軸となる概念は「光」と「熱」でしょう。歌詞にはfiring, stars, fire, flame, burn, bonfire, flame, cold, sparkなどの単語が登場します。なかでもとりわけ訳しにくいのがタイトルにもなっているbonfire heartです。bonfireとは野外で行う大掛かりな篝火つまりキャンプファイアーのようなものなのですが,何故ただのheartではいけないのか?Just someone that starts, starts the spark in our (bonfire) heartsと,bonfireを抜いても問題なく成立します。

この点について私は「一度火が点けば激しく燃えるポテンシャルがあるが,なかなか火が点きにくい」という意味だと考えました。すなわち誰かを好きになれないわけでは決してなく,本当に好きになったら,心の底から相手のことを大切にできるはずなのに,そうなれる相手がなかなか見つからない,そういう人間をbonfire heartsと表現しているような気がします。

この点「篝火の心」と直訳したのではなかなか意味が伝わりません。無論私個人の解釈なので大幅に間違っている可能性はあります。ただこの曲に関して,当のJames Bluntがファンへのemailで「この曲は愛や人生や不安や希望について歌った曲,そしてなによりもみんなと自分(you and me)について歌った曲」と語っているのでさほど核心から外れていないと思います。

ところで,このyouですが,仮に単数だとすると特定の誰かということになります。仮にそうであった場合,第2連に登場する trying to make you mineは「恋人になろうと頑張ってきた」と和訳するべきなのかもしれませんが,その点が不明なので「『特別な人』になろうと頑張ってきた」としてあります。

(余談)

私にとってAdam Levineが「対人関係」の師だとすれば,James Bluntは間違いなく「自虐」の師です。「彼のどこが自虐なんだよ?」とお疑いの方はとにかく師匠のHighの(ミュージック・ヴィデオではなく)オリジナル・ヴィデオをご覧ください。私の言っている意味を最初の数秒でご理解いただけるかと存じます。

こちらはミュージック・ヴィデオ(普通です)
http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2011/12/high-james-blunt.html
そしてこちらが問題のオリジナル・ヴィデオ(文の最後についています)
http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2011/11/you-are-beautiful-james-blunt.html

8 件のコメント:

  1. カルロスくん2013年10月15日 23:14

    どうも、かれこれ6年JamesBluntのファンをやっている高校生です。
    Your Beautifulの時からですが、今では彼のいろんな曲を聴いています。
    最初はあまり歌詞を見たりとかしなかったんですが、英語を勉強したくなった頃から曲の歌詞も調べるようになって、その過程でこのサイトに辿りついて以来良くこのサイトを見させていただいてます。
    まあここに来るようになったのは、carry you homeとgoodbye my loverの訳を見てしまったせいです(笑)
    ぶっちゃけ両方とも泣いてしまいました(笑)
    何度も聞いているはずの曲なのにすごいですね、歌詞が分かるだけでこんなに変わるなんて。
    それ以来coldplayのfix youとかにも泣かされました(笑)
    なのでこのサイトの訳は本当に気に入っています!
    これからも泣かせてくれるような素敵な訳を楽しみにしています!

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。お話しの3曲はまさに私も「殺られた」曲なのでカルロスくん様には大変親近感を覚えております。どうか今後もよろしくお願いいたします。
      さて,既にご存じかと思いますが,右側下の「ジェイムズ・ブラント」のラベルをお使いになると彼の曲が簡単に検索できます。

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  2. 友人(米国人)が「Bonfire Heartを聴くように」とメールをくれました。けれどわたしの英語力では聴き取りに限界が・・・。調べていてこちらにたどり着きました。
    ありがとうございます。彼の言いたいこともわかりました。そして泣きました。

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    1. コメントありがとうございます。個人的にこの曲の白眉は「ああいう風に生きてきて,こういう夜も過ごしてきた,ただそうだからこそ,今の自分があるんだよ(Days like these lead to, Nights like this leads to, Love like ours)」だと思っております。大変気に入っている曲なので,拙訳がcupcakes様のお役に立てたことがなによりの喜びです。

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  3. この曲は、一度初耳で聞くと気持ちが暖かくなる曲ですよねえ。ラジオから聞こえてきたときには、この暖かみの感触は、日本の歌にはないものだなあ、と第一印象が強かったです。やっぱり、歌詞もそういう意味で、(初耳でインパクトはどれほど大事かという意味で)印象を損なうようには出来てはいないものなんでしょうね。

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  4. 悲しい時はがんばるとき、彼は悲しみからこれらの曲を自分の歩んできた道を歌として、表しているのかそういう意味で曲に反映していりのか?きっと、過去のかれの生きていた道による人生がもっとも伝わってきているきがします。
     ファンでわないのですが、心あたりさわりがたい、深さみたいなのがわたしにわ、伝わってきます。しかし彼の才能ってとてもチャーミングなきがします。you`re beautifulはなんだか笑っちゃいます。その女性がかれの恋人だと言ったら彼女はどんな気持ちでしょう?イケメンでもないのですが、goodbye my lover は好きですよ、気持ちがよく伝わったのです、。
     強い人間になったjames we love u!

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  5. 彼には常識のかけらもないhe has not a whit of common sense.
    といいますが、commonsense は日常にある事柄であるでしょう。
     馬鹿なひともいますが利口なひともいますが、常にあるべきな神を語るのは簡単ですが、物事の恥を知る良い機会でしょう。 知りたがる常はあずましこうい。

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  6. もっと、前向きな訳が正しい気がします。きっかけ、あつい心に火をつけてくれるスパークをみんな待ち望んでいるんだ、というか、スパークさえあれば、みんな燃え上がれる。さあ、みんながんばろうみたいな、すごく前向きな歌だと僕は思うんですが。
     まっすぐに目を見て話す人は少なく、みんな傷つくことを恐れてはいるけど、その下にはきっかけさえあれば、燃え上がる熱いハートをもっているんだよ、といいたいんだと思っています。
     訳してくださるのはほんとうにありがたいです。この人はパイロットでもあり、軍では大尉までいったということを聞いても、すごい人だと思いました。

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