2013年8月9日金曜日

Scale of the Universe デイヴ・レンズ (Dave Lens)

間違いなく今まで耳にした中で最も「教育的な」ラップです。このヴィデオのコメントのなかに「やっと科学と音楽を結び付けてくれた人が現れたよ。教師ってのはこうやって生徒に教えなきゃ」というものがあったのですがまさしくその通り。自分が子どもだったらきっと喜んで覚えてたと思います。
Definitely the most EDUCATIONAL rap I've ever heard.  One of comments left on the video was " Finally someone combined science and music.That`s the way teacher should teach their pupils."  True.  I'm sure I'd love to learn this song, if I were a kid.
Scale of the Universe  (Dave Lens)
If you were to
/ Zoom in / phase-out,
move in / focus on this
Human / whose cells magnify
as you fly through them, and see

Atoms, looming /
but you keep shooting past
protons, bosons, quarks 'til even a
part of a particle's too big / Then

boom / an end to the intrusion
/ As you hit the resolution of the
universe / the strands of its fabric
the tiniest fragment / the planck length,

past that, Gravity becomes
fallacy, try contrasting that with the
galaxies / try to grasp the huge magnitude
of the universe it's unimaginable.

But let's try anyway.

If that
insane length was one dollar bill
/ Then to reach the
wavelength of the smallest particles
Quarks, that are so fundamental

they don't have an inherent size
would be the current price you'd gain if you sold
Mount Everest made out of gold.
That is insane.

if you applied the Midas touch to my mind
it'd be quite enough to buy a car to drive
And the gluons and 3 quarks combined
make a large hadron those guys collide;

a proton / and to magnify to that
size would turn that Midas mountain
into a diamond / my
mind made of that could buy you an island

/ and next we ramp up, from
quarks and protons to atoms,
atoms the fractions of matter the ones that
that grant us our mass, and

if that quark was counted every time you take a
/ single breath / you'd respire
Midas mountains then
until your death

/ and if that life / was compressed
into one lock of hair / then as we
climb / up the rest / of these
atomic stairs / then we'd pass

/ DNA / when we get to my red streak
and the size of our cells
/ we equate / to every
hair on my head...

[Sometimes you make me feel so small
Can't comprehend your size
Yet I'm a giant in your eyes]

If we took my
head of hair that a cell represents
lifetimes of Midas Everest breaths
and then you would stretch it out to the skyline,
again and again

you'd find circle round the earth 10 times
before you meet me... and you.
Right here the reach of a human,
a meter or two / and if we were to choose

one song to represent those
horizons, an MP3 on our
device then to reach the size of the earth
compared to like our size

that's a terabyte hard drive filled with our files
it seems immense
And if we compress that collection to one word

to represent our world, then scaling coefficients
from the planet to the solar system
would let me re-read the whole of deathly hallows
awesome.

And then to travel between stars
as we take to the skies
Would be 10 times every word
you'll ever say in your life

And as an analogy of the expanse of
galaxies up in space
10 times the total of every word
in every book ever made

And to move up to the scale of galaxy clusters
would be every word said by everyone in Shanghai, in London
Berlin, delhi, LA, Mumbai, Sao Paulo and Moscow
Jakarta, Karachi, Dubai, Telford, Tokyo and Stockholm

And then to galaxy superclusters in the large-scale structure
with filaments that feel inadequately described as humungous
since if we stay with the scale of Earth as a word that equates
to all the words everyone alive today will ever say

finally we reach the biggest physical thing we can confirm
The indescribable size of the observable universe
which would be more than every word that every person ever has said
Every word that was ever written and every word that was ever read

[Sometimes you make me feel so small
Can't comprehend your size
Yet I'm a giant in your eyes.
I can't control the scope
But I'm not losing hope]

To summarise
Every word that every person has ever said in their lives
where each word implies enough MP3s to fill a terabyte hard drive
Where each song is 10 times the number drives to the horizon
that it'd take to ride around the world each time you set eyes on one

where each horizon is a head of hairs
and every hair there is the length of a lifetime
and each breath in that life is the price
of mount everest made entirely by midas

and that finally describes it, and it's increasing in size
So each time you listen to this song again
it'll be even more difficult to comprehend.

こうやって
ズームインして
どんどん小さくなって
この人間に近寄って
そいつの体の中に入ってみる
さらにそこを進んでいくと
そいつの細胞がデカくなって
こういう光景が見えてくる

あちこちに原子が漂うなかを
プロトンやボゾンやクウォークを
横目で見ながら駆け抜ける
そうするとたった1つの粒子さえも
めちゃめちゃ大きくなってくる
そしたら

バーン,そこが旅路の果て
大宇宙の最少単位だ
その世界の基本単位は
極小の破片,プランク長(Lp=1.6E-33cm)

その先は,重力も働かない
必死になって,銀河の大きさや
大宇宙の大きさと
比較しようとしてみても
想像なんかできっこねえ

だけどそれでもやってみよう

その意味なく短いプランク長
それ一個が1ドルだってことにして
それで最小粒子クウォークの
波長を表してみる 
クウォークってのは基本的な粒子だからな

クウォークには
あらかじめ決まった大きさなんてないから
ちょうど金の値段みたいなもんだ
それでさっきのクウォークの
波長を値段で表すと
純金製のエベレスト山を
今お前が売っぱらったら
どれくらい儲かるかって話になる
信じられねえよな

とにかく触るものならなんでもかんでも
みんな金に変えちまう
ミダス王の伝説を
思い浮かべてくれりゃいい
わかりやすく俺モノサシに当てはめりゃ
車の1台くらいは余裕で買える
そんな値段になるって感じかな
それで次はハドロンだ
そいつはグルーオンと
クウォーク3個で出来ていて
科学者はそいつを衝突させるんだ

そんでそのプランク長を
プロトンのサイズにまで拡大すると
さっきのミダス王の黄金のエベレストが
今度はダイヤモンドのエベレストになる
俺のモノサシに当てはめりゃ
島のひとつも買える値段だ

どんどん大きくしていくぞ
クウォークとプロトンから
今度は原子だ
こいつは物質の一部で
それがあるから質量ってものがある

今度はお前が息をするたび
クウォークをひとつ数えるとする
死ぬまでに数えきれないほど息をして
お前は人生を終えていく

そして一生かけて数えたクウォークが
1本の髪の毛だってことにする
そこから原子の大きさになるまでには
道程がまだまだ残ってる

そこからこの髪の毛の赤い部分に
当たるくらいの量になって
やっとDNAの大きさだ
そしてこの頭の毛を
全部集めたくらいの量になって
やっと細胞が見えてくる

「時々あなたのことを考えると
自分がちっぽけに思えてくる
あなたの大きさは想像つかないけど
そっちから見たら,自分もすごく大きいんだよね」

この頭の髪の毛全部が
1つの細胞だっていうんなら
その中にゃ一体どれだけクウォークがあるのか
それをちょっと考えてみろ
じゃあもっと先行くぞ
今度はそれをずっと伸ばすんだ
地平線の彼方まで
何度も何度も

そして地球を10周くらいして
やっと俺やお前,つまり「人間」の大きさになる
1メートルか2メートル,そんなとこだ
それで

1人の人間の大きさを
1曲のMP3データ量ってことにして
地球のサイズを表してみる
それが収録できるサイズのデバイスは
人間の大きさを単位にすると

1テラバイトのハード・ドライブに
ぎっちりファイルが入ってることになる
膨大な量だと思うだろ?
だけどその地球の大きさが
単語ひとつだってことにして

この世の中を表してみる
その上で,この地球から太陽系への
スケーリング係数を考えると
あの分厚い「ハリー・ポッターと死の秘宝」が
1冊書けるくらいの量になる
スゲえだろ?

次は星間旅行だ
もっと先に行くんだからな
前に言ったように
地球の大きさが1語なら
星と星との距離を表すには
一生で1人の人間が口にする
単語を全部集めたうえで
その10倍は必要になる

そのやり方で
宇宙にある銀河の広がりを
表そうと思うなら
この世に存在した本の単語を
ひとつ残らず集めても
その10倍は必要だ

そうやって銀河団まで話が広がると
その距離を表すには
上海・ロンドン・ベルリン・デリー
LA・ムンバイ,サンパウロ
モスクワ・ジャカルタ・カラチ・ドバイ
テルフォード・東京・ストックホルム
こういう街に住んでる人の
ひとりひとりが一生に
喋る単語をみんな集めた
それくらいの単語がなきゃいけねえ

そしてもっと大きなもの
超銀河団に向かっていく
超デカいとかそんなんじゃ全然表せねえ
フィラメントとかいうもんがあるヤツだ
だから地球の大きさが単語ひとつに当たるとすると
この超銀河団を表すためには
今日この地球上で生きてる人間
そのひとりひとりが今まで口にした
単語をみんな足したくらい
それくらいの量がなきゃダメだ

そうやって最後にやっと
これまでわかっているなかで
最大の物体に行き着くことになる
観測できる大宇宙
その表現できないほど大きさを
敢えて単語で表すためには
今までこの世に存在した
ひとりひとりの人間が
死ぬまでに口にした単語と
人間が今までに書き記した単語
そして人間の目に触れた単語
その全部を足してみても
やっぱり足りないくらいなんだ

「時々あなたのことを考えると
自分がちっぽけに思えてくる
あなたの大きさは想像つかないけど
そっちから見たら,自分もすごく大きいんだよね」

要するに
ひとりの人間が一生に口にする単語
その単語のひとつひとつが
テラバイトのハードディスクにいっぱい詰まった
音楽のMP3データの集まりで
その曲のひとつひとつが
地平線までのドライブ回数
つまり地球を1周できる距離を
10倍したものなんだ

その地平線までの距離を
1人の人間の髪の毛全部で表現すると
その髪の毛の1本1本が
ある人間の一生の長さで
その人間が死ぬまでに吸う息の
なかのたった1回が
ミダス王が金にしたエベレスト山の
値段ってことになる

結局はこういうことなんだよ
段々サイズが大きくなっていくんだ
だからこの曲は聴けば聴くほど
余計にわからなくなってくる

(余談)

ヴィデオを見た瞬間,CERNとラップという異色の組み合わせに「面白い!」と感動して取り上げたものの,和訳は大変でした。まず用語が正確に掴めていない上に「?」と思う箇所が意外なほど多い。GoogleとWikipediaなしでは和訳できなかったかもしれません。

またこの曲,内容は真面目で夏休みに相応しい1曲なのですが,他のどんな曲よりも論理の流れに集中せねばならない曲であるにもかかわらず,こちらの集中力を試すかのごとくとにかく長い!以前,若気の至りで友達と賭けをしてしまい,アイスクリームを大量に食べるハメになったことがあるのですが,食べても食べても減らないアイスを前に途方に暮れた記憶が蘇りました。(当然賭けには負けました)。

しかもミダス王の下り。このラップで言及しているのは間違いなくギリシャ神話の本家ミダス王なのですが,私のなかですでにミダス王=Bruno Marsなので,ミダス(Midas)という単語が出てくるたびに,脳裏に「ウッ」が浮かんでしまい,その時点で思考がストップしてしまいます。

上記のような諸事情により,訳文中に科学的に誤っている箇所もおそらくあるかと思いますので,お気づきの際は是非コメント欄等で正しい情報をお知らせくださるようお願い申し上げます。



0 件のコメント:

コメントを投稿