2012年4月26日木曜日

Read All About It プロフェッサー・グリーン(Professor Green ft. Emeli Sandé)

スタンフォード大で行った演説で,故Steven Jobsは「Stay hungry and stay foolish」と述べましたが,これはすなわち「人間は満たされてしまうと,業績を残せなくなる」ということなのでしょうか。これまでラップを聴いてきて,ラッパーとして世に出るためには,幸せな子ども時代を送ってはならないような気がしてきました。Eminem, Lil' Wayne, Professor Greenの誰一人として,幸せな子ども時代を経験しているようには見えません。ただ,この真偽はともかくとして,怒りや恐怖といった深く強烈な感情(当然愛情も含まれます)が,素晴らしい音楽を形作るの要素の一つであることは間違いないでしょう。  
Late Steven Jobs said in his speech at Stanford University, "Stay hungry and stay foolish."  Does this imply once you are satisfied, you cannot achieve anything great?  Listening to rap songs, I came to realize that being denied a happy childhood, physically and mentally, might be an essential for a good rapper.  Eminem, Lil' Wayne and Professor Green, none of them seem to have enjoyed a happy childhood.  I don't know if it's true but I know some deep and strong emotions, such as anger (and love, of course) and fear are major components of good music.      
Read All About It  (Professor Green ft. Emeli Sandé )
I wanna sing, I wanna shout,
I wanna scream till the words dry out.
So put it in all of the papers, I''m not afraid,
They can read all about it, read all about it, ohhhh.

Nothing to hide
Stifle or smother
Suffered and cried
Strife made me tougher
Never mumbled or shy to,
The trouble, I rise above all
Expectations forget rep
Ain't never begged yet
When I wanted to get pence, hustle,
To be, I'm exactly what my neck says.
She said I tried to cash in on my dad's death,
I wanted to vent 'stead I said nothing at all.
After all you were never kin to me,
Family is something that you've never been to me,
In fact making it harder for me to see my father was the only thing that you ever did for me.

I wanna sing, I wanna shout,
I wanna scream till the words dry out.
So put it in all of the papers, I'm not afraid,
They can read all about it, read all about it, ohhhh.

Dear dad,
As a kid I looked up to you,
Only thing was I never saw enough of you.
The last thing I said to you was I hated you,
I loved you and now it's too late to say to you.
Just didn't know what to do or how to deal with it,
Even now deep down I'm still livid.
To think, I used to blame me,
I wondered what I did to you to make you hate me.
I wasn't even 5, life's a journey and mine wasn't an easy ride,
You never even got to see me rhyme,
I just wished you would have reached out
I wish you would've been round when I'd been down.
I wish that you could see me now,
Wherever you are I really hope you found peace.
But know that if I ever have kids,
Unlike you I'll never let them be without me.

I wanna sing, I wanna shout,
I wanna scream till the words dry out.
So put it in all of the papers, I’m not afraid,
They can read all about it, read all about it, ohhhh.

I write songs, I can't listen to
Everything I have, I give to you
And every one of these lines I sing to you.
My job's more like public service
My life just became yours to read and interpret.
If you heard it it'd come across a lot different at times
I throw fits when I read how they word things.
You've seen me smile
Now you're gonna have to see me hurtin'
'cause pretending everything is alright when it ain't, really isn't working.

I wanna sing, I wanna shout,
I wanna scream till the words dry out.
So put it in all of the papers, I'm not afraid,
They can read all about it, read all about it.

I ain't censoring myself for nobody
I'm the only thing I can be,
All that is good, all that is bad, all that is, me.

I wanna sing, I wanna shout,
I wanna scream till the words dry out.
So put it in all of the papers, I'm not afraid,
They can read all about it, read all about it.

歌ってやるぜ,それも大声でな
声が枯れて何も言えなくなるまで,力いっぱい叫んでやる
タブロイドにだってぶちまけてやる 構うもんか
だから知りたきゃそいつを読めよ 気の済むまで徹底的にな 

隠すことなんてねえよ
だから言いたきゃ何でも言えよ
誰かを黙らせたり,もみ消さなきゃいけないこともねえ
さんざんひでえ目に遭って,身を切られるような思いをしながら
悪戦苦闘した末に,こういうしぶといヤツになったんだ
この程度のことで,誤魔化したり,ビビったりするかよ
少々のことじゃ動じないぜ
周りが思う以上にやってやる
どう思われようと知ったことか
お情けにすがるなんて真っ平だね
金が必要なら,ヤバいもんを売ってでも手に入れてみせるぜ
俺には運命が味方についてる 首に入れてるLuckyのタトゥー通りだ
実の親父の自殺を金にしようとしてるって,継母のアイツが文句つけた時だって
本心じゃ噛み付いてやりたかったけど,大人しく言わせておいたんだ
結局,アイツとは一度も打ち解けたことはなかったぜ
俺を家族とは認めてくれなかったんだ
実際アイツが俺にしてくれたのは,親父に会えなくすることくらいだったからな

歌ってやるぜ,それも大声でな
声が枯れて何も言えなくなるまで,力いっぱい叫んでやる
タブロイドにだってぶちまけてやる 構うもんか
だから知りたきゃそいつを読めよ 気の済むまで徹底的にな 

親父
ガキの頃,アンタはすげえと思ってた
なかなか思うように会えなかったのが心残りだ
あの時「顔も見たくねえ」って捨て台詞を吐いたけど
つい言っちまっただけで,これっぽっちも思ってなかったんだ
できれば今から謝りたいけど,もう手遅れなんだな
あの頃は,何をどうすりゃいいのか全然わかってなかった
今だってまだ心の奥じゃ立ち直れてねえ
ガキの頃は自分が悪いんだと思ってた
どうして嫌われたのか,嫌われるようなことでもしたのかって悩んでたぜ
だけどまだ5歳にもなってなかったんだ
よく人生は旅だっていうけど,俺の旅は苦難の連続だった
ラップで有名になったとこを一度でも見せたかったぜ
昔は迎えに来てくれないかって思ってた
辛い時には,そばにいてほしかった
今の俺の姿を見せたいぜ
アンタが今どこにいるのかはわからねえけど
そこではどうか幸せになってくれよ
だけどもし自分に子どもができたら
アンタの轍はもう踏まねえ いつもそばについててやるぜ

歌ってやるぜ,それも大声でな
声が枯れて何も言えなくなるまで,力いっぱい叫んでやる
タブロイドにだってぶちまけてやる 構うもんか
だから知りたきゃそいつを読めよ 気の済むまで徹底的にな 

曲を作っても,俺は聴いてられねえ
だから俺が経験したことは,みんなお前らに教えてやる
そいつを歌詞にしてお前らのために歌ってやる
俺がやってんのは,ボランティアみたいなもんだ
洗いざらい教えてやるから,そいつを聞いて、自分で色々考えてみろ
でその話を聞いた後,タブロイドを読んでみな でたらめばっかで驚くから
ヤツらあることないこと書きやがって マジで頭に来るぜ
今までは,余裕を見せて笑ってたけど
今度ばかりはそうもいかねえ 俺だって無傷じゃねえんだ
なにしろ,本当にヤバい時は,平気なふりしても意味ねえからな

歌ってやるぜ,それも大声でな
声が枯れて何も言えなくなるまで,力いっぱい叫んでやる
タブロイドにだってぶちまけてやる 構うもんか
だから知りたきゃそいつを読めよ 気の済むまで徹底的にな 

だけど他人にあれこれ口出しはさせねえ
これが本当の俺なんだ
いいとこも悪いとこも,ぜんぶまとめて1人の人間で
それこそが俺って人間なんだ

歌ってやるぜ,それも大声でな
声が枯れて何も言えなくなるまで,力いっぱい叫んでやる
タブロイドにだってぶちまけてやる 構うもんか
だから知りたきゃそいつを読めよ 気の済むまで徹底的にな 


(補足)
Wikipediaによると,Professor Greenの父親は2008年に自殺したそうです。彼は1歳の時から,16歳で彼を産んだ母親と祖母に育てられたとか。Luckyのタトゥーの入った彼の首には、数年前にビール瓶でつけられた大きな傷が残っています。歌詞の中に出てくる「ヤバいもん」とはマリファナのことらしい。ステージネームのProfessor Greenはここから来たものとか。

これに対して、ここでサビを歌ってるEmeli Sandéは,父親がザンビア人で中学校の先生,母親がイギリス人のスコットランド出身。優等生で,音楽の道に進む前は,医者になるためGlasgow大学に通っていたらしい。あともう少しで医者になるはずだったそうですが,それよりも音楽の道を選んだそうです。Emeliはミドルネームで,ファーストネームはAdeleだとか。

それにしても,ルックスといい経歴といい,全く対照的なこの2人。実に面白い。

5 件のコメント:

  1. このPVと歌詞、引き込まれました。男の子の表情や目がとても印象的で、歌詞と一緒に見ていると、叫びたくなる気持ちもわかる気がします。ここまで悲観的な感じではないのでしょうが、親に対して、どうしてなんだ、分かって欲しい、って気持ちになることがありました。上手く気持ちが伝えられずにもどかしい時なんて特にそうでした。今は成長して、言葉も選べますが、親だからこそ伝えにくいことや言えないことが多々あるんじゃないかなあと自分に対して思います。

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    1. コメントありがとうございます。この曲は他の曲を探していて偶然に見つけたのですが,聴いた瞬間に,即座にここで取り上げなければと思ったほど強烈な印象を残しました。歌詞の内容もさることながら,メロディーが実に素晴らしい。アジアの母系文化とは対照的に,ヨーロッパの父系文化を強烈に感じさせる曲でしたが,個人的にはその背景にキリスト教があると感じております。

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  2. ラップって何言ってるのかよくわからない、と思っていたせいか、これまでほとんど聴かなかったのですが、慟哭の音楽だったんですね。しかも、すごく心を打ちます。そんなこと知らなかった。おかげさまで世界が広がります。(週末にレンタルCDを大量に借りるようになりました。最近)感謝です。と、ちゃんと伝えておかないと間に合わなくなってしまう、というのが今日の投稿でしたけれど、この曲では逆(逆?なのかな)ですね。最後に言った捨て台詞が「顔も見たくねえ」だったというのは、それは、一生、心に傷を残すことと思います。これも本当の話なんでしょうね・・・。でも、EminemのMockingbirdよりは聴いていてつらくない感じがします。メロディと、女性のボーカルの力かな、と思いました。

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    1. コメントありがとうございます。ラップには色々な種類があって,このようなものばかりとは限らず,私が主に聴くのは,限られたアーティストのみですが,なかでもこのProfessor Greenはその芸風の広さというか,つかみどころのなさが実に私好みで,他にもいくつか取り上げております。おそらくoak様の琴線に触れるのではないかと思うのが,彼のAstronautという曲。私は最初に聴いた時,不覚にも涙してしまいました。是非ご覧ください。

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  3. 初めまして。どうしても私のmixiのページにこちらの翻訳を載せたいのですがよろしいでしょうか?

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